平和祈念展示資料館(東京都新宿区)では、さきの大戦における兵士、戦後強制抑留者、海外からの引揚者の労苦を後世に伝えるための活動の一つとして、他館との交流事業を行っています。2024年はピースおおさか(大阪国際平和センター)との平和祈念交流展を開催します。
 1945(昭和20)年、戦争が終結したにもかかわらず、シベリアを始めとする旧ソ連やモンゴルの酷寒の地において、乏しい食料と劣悪な生活環境の中で過酷な強制労働に従事させられた戦後強制抑留者(シベリア抑留者)たちは約60万人といわれます。そのうちおよそ5万5千人が命を落としました。抑留者の帰国は1946年に始まりましたが、1956年まで帰国できなかった人もいました。
 本展示会では、抑留者たちがラーゲリ(収容所)で使用していたモノを、シベリア抑留を体験した漫画家・斎藤邦雄氏が描いたマンガ作品をまじえて紹介し、終戦後も続いた彼らの労苦を伝えます。
 また、大阪ゆかりの資料として、大阪出身の抑留者がソ連と日本の間で交わした郵便葉書や、日本国内で抑留者の家族が展開した帰還促進運動に関する資料を紹介します。

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日 時2024年10月1日(火)~12月27日(金)
9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週月曜日
会 場ピースおおさか 1階 特別展示室(大阪市中央区大阪城2番1号
入館料大人250円、高校生150円、中学生以下無料
65歳以上・障がい者の方も無料(要証明書)
主 催ピースおおさか(公益財団法人 大阪国際平和センター) 
平和祈念展示資料館(総務省委託)
後 援大阪府、大阪市、大阪府教育委員会、大阪市教育委員会

斎藤邦雄 略歴
1920(大正 9)年11月 群馬県藤岡市に生まれる。
1941(昭和16)年 3月 東宝の美術部在職中に召集され、高崎連隊に入隊する。7月、当時中国北部に派遣されていた第63師団へ転属される。
1945 (昭和20)年 6月 部隊は満州へ移動し、8月に奉天(現・瀋陽)で終戦を迎える。
ソ連軍による武装解除の後、10月にシベリアへと連行され、イルクーツク地区で4か所の収容所を転々としながら、約3年間の抑留生活を送る。
1948(昭和23)年 7月 7年ぶりに日本へ帰国する。漫画家・作家として執筆活動を行いながら、平和祈念展示資料館の語り部として自らの戦争体験を伝える。
2013(平成25)年11月 逝去。享年93。

「望郷」斎藤邦雄
抑留者が飢えに耐えかね、袖の部分をパンと交換した防寒外套
「パンの切り分け」斎藤邦雄

大阪府出身の抑留者がラーゲリ(収容所)から家族に宛てて書いた俘虜用郵便葉書
平和祈念展示資料館 (総務省委託)