戦争体験の労苦を語り継ぐために『平和の礎』選集4 デジタルブックを公開しました。兵士、戦後強制抑留者、海外からの引揚者による手記集『平和の礎』から、若い世代のみなさまに読んでいただきたい6編を選び、読みやすく編集したものです。

公開に当たって、編著の神津良子さんと作画の北野美子さんからメッセージをいただきました。

編著 神津良子さん
 本書に収録されている戦争体験者たちの苦しみや悲しみが80年後のいまも世界各地で塗り重ねられている。こんな理不尽が許されるでしょうか。人間は、もっと賢いはずではなかったでしょうか。
 人が人を傷つける愚かさともう決別しなければなりません。そのためになにが出来るか、なにをしなければならないか、本書をお読みくださったみなさま方それぞれが考えてみる、その手がかりにしていただければ、とてもうれしいです。
作画 北野美子さん
 半世紀前、思春期を迎え体型が気になってきた私はダイエットを始めました。その時祖母が「やっと食べられる時代になったのにねぇ‥」と、悲しげに呟いたのです。戦中、4人の食べ盛りの子供を抱えた祖母の苦労を、知っていましたが、その言葉の深さに気付くのは、ずっとずっと後でした。日本は豊かになったけれど、戦争は昔話になっていません。今も世界中で、同じ涙が流され続けている事。この本が、その事にも想いを馳せるきっかけになりますよう、心から祈っております。

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平和祈念展示資料館 (総務省委託)