1945年8月の終戦後、満州(現・中国東北部)・朝鮮北部・南樺太(現・サハリン島南部)・千島にいた日本の軍人・軍属を始めとする約60万の人びとは、ソ連軍によりソ連(現・ロシア)やモンゴルへ連行されました。そして収容所(ラーゲリ)に入れられ、強制労働に従事させられました。彼らは戦後強制抑留者(シベリア抑留者)と呼ばれます。
抑留者と家族が何年間も生き別れとなる中、彼らの心をつなぎ、支えとなったのが、国際赤十字・赤新月社を経由してやり取りされた往復葉書です。この葉書はソ連のハバロフスクで印刷された後、それぞれの収容所で抑留者に支給されました。ただ、支給される葉書の枚数はごく僅かであった上に、ソ連の厳しい検閲のため、葉書には収容所の場所や抑留生活の厳しさ、死んだ戦友の話などを書くことは許されませんでした。また、抑留者が葉書を出しても、日本から返事が届くまでには数か月もかかりました。それでもこの葉書は、抑留者と家族がお互いの無事を確かめ合う唯一の手段だったのです。
本企画展では、抑留者と家族を結んだ葉書と関連資料を、Ⅰ期とⅡ期に分けて展示します。Ⅰ期では、1950年4月までに帰還できた大多数の抑留者が、1946年10月から1950年頃まで家族とやり取りした葉書を紹介します。Ⅱ期では、1950年4月以降もソ連に残されていた長期抑留者の葉書を紹介します。是非あわせてご覧ください。

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日 時 2022年10月18日(火)~2023年1月9日(月・祝)
※会期中に一部展示替えを行います。
9:30~17:30 (入館は17:00まで)
休館日:毎週月曜日(ただし1月9日は開館)
    および12月28日(水)~1月4日(水)
会 場 平和祈念展示資料館 企画展示コーナー
1枚に1,000字以上が書き込まれた葉書
検閲で墨を塗られたウクライナからの葉書
検閲逃れの謎かけが書かれた葉書
斎藤邦雄 紙芝居『シベリア抑留の話』より

平和祈念展示資料館 (総務省委託)