日本の漫画界をリードしてきた、ちばてつやと森田拳次。
二人の作品には、子供時代を過ごした満州( 現・中国東北部) での楽しい思い出や終戦から引揚げまでの辛く苦しい日々が、大きな影響を与えています。
本企画展では、自身の戦争体験をマンガという表現で伝えてきた二人の歩みと、次世代の漫画家たちが、戦争体験者からのバトンを受け取って描く作品を紹介します。
「戦後75年が経過した今日、戦争体験をどのように伝えるか?」
この問いに「マンガ」はどう応えるのか、みなさん自身の目で確かめてください。
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日 時 | 令和2年8月12日(水)~11月15 日(日) 前期:8月12日(水)~9月27 日(日) 後期:9月29日(火)~ 11月15日(日) 9:30~17:30 (入館は17:00まで) 休館日:毎週月曜日、8月23日(日)、9月23日(水) ただし9月21日(月・祝)は開館 |
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会 場 | 平和祈念展示資料館 企画展示コーナー |
協力一覧 (敬称略) | ちばてつやプロダクション、舞鶴引揚記念館、 公益社団法人 日本漫画家協会、 一般財団法人 日本漫画事務局八月十五日の会、 秋田書店、今人舎、講談社、小学館、白泉社、晩成書房、東直輝、魚乃目三太、 おざわゆき、 武田一義 |
作家プロフィール
■ちばてつや■
昭和14(1939)年東京生まれ。生後まもなく朝鮮に渡り、その後奉天(現・瀋陽)に移る。父親は鉄西区の新大陸印刷に勤務していた。21年6月福岡県の博多港に引き揚げる。スポーツ漫画を中心に活躍する一方、太平洋戦争末期の海軍パイロットを描いた『紫電改のタカ』や、終戦後の自身の生活を描いた『屋根うらの絵本かき』など戦争にまつわる作品も執筆しており、現在も自身の半生を描いた『ひねもすのたり日記』を連載している。
代表作:『あしたのジョー』『ちかいの魔球』『のたり松太郎』『ハリスの旋風』
■森田拳次■
昭和14(1939)年東京生まれ。生後3か月から奉天(現・瀋陽)で育つ。父親は敷島区の協和街で鞄工場を経営していた。21年山口県の仙崎港に引き揚げる。ギャグ漫画家として活躍した後、ニューヨークでの武者修行を経て、1コマ漫画家に転身する。自身の引揚げ体験を『ぼくの満洲』として漫画化したほか、自身の半生を漫画と文で描いた『漫衆少年史 だめ夫伝』や、当資料館で配布している『満州からの引揚げ 遥かなる紅い夕陽』などを執筆している。
代表作:『丸出だめ夫』『ロボタン』『ミスタージャイアンツ』
■次世代の漫画家たちによる作品■
『不死身の特攻兵 生キトシ生ケル者タチヘ』(講談社):東直輝/原作:鴻上尚史
特攻作戦で9回出撃しながら生還した実在の陸軍パイロットを描いた作品。原作は鴻上尚史の同名ノンフィクション。
『戦争めし』(秋田書店):魚乃目三太
明治から昭和にかけての軍隊や戦争にまつわる様々なグルメエピソードを漫画化した短編集。
『凍りの掌 シベリア抑留記』(講談社):おざわゆき
満州で終戦を迎えた後、シベリアの収容所へ連行・抑留された父親の実体験を漫画化した作品。
『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』(白泉社):武田一義
戦争末期、激戦地となった南方のペリリュー島で懸命に生きる若者たちの姿を描いた作品。
関連イベント
■ビデオ上映■ 毎日14:00~14:45(イベント時を除く)
「漫画家ちばてつや満州体験記 屋根うらの絵本かき」
(企画 平和祈念展示資料館)