1945(昭和20)年、第二次世界大戦が終結した時点で、降伏した日本軍の将兵ら約73 万人が 南方に残されていました。1946年秋頃までに将兵約60万人の復員が完了しましたが、約13万人は 連合国軍側の捕虜政策の対立に翻弄され、残留を余儀なくされました。本シンポジウムでは、南方での抑留を切り口として、終戦後におきた諸問題を取り上げます。
第1部の講演会では、南方における日本軍の処遇および引揚げと残留について、総論ならびに、 インドネシアとフィリピンの事例からいくつかの話題を提供します。
第2部のパネルディスカッションでは、シベリア抑留と対極にある南方抑留という観点から、 抑留史・引揚史における新たな展望を各研究分野の3名のパネリストが討議します。
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日 時 | 2024年9月28日(土) 13:30~16:30(開場 13:00) |
料 金 | 無料(要事前申込) |
会 場 | 新宿住友スカイルーム Room5+6 (東京都新宿区西新宿 2-6-1 新宿住友ビル 47 階) |
定 員 | 130名 |
参加申込み期間は終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。
本シンポジウムに関するお問い合わせ先 帰還者たちの記憶ミュージアム(平和祈念展示資料館) 電話 03-5323-8709 FAX 03-5323-8714 e-mail info☆heiwakinen.jp (☆を@に変えて送信してください) |
プログラム
■第1部 基調講演 (13:30~15:15)
「南方抑留と引揚げ」
増田 弘(平和祈念展示資料館館長)
「インドネシア独立と日本人 ―日本兵の逃亡劇―」
林 英一(二松学舎大学 文学部歴史文化学科 准教授)
「フィリピンにおける敗戦経験」
岡田泰平(東京大学 大学院総合文化研究科 地域文化研究専攻 教授)
■第2部 パネルディスカッション「南方抑留を考える」 (15:30~16:30)
パネリスト:増田 弘、林 英一、岡田泰平
モデレーター:戸部良一(防衛大学校名誉教授、国際日本文化研究センター 名誉教授)
※第1部と第2部の間に15分の休憩が入ります。
登壇者
林 英一(はやし えいいち)
二松学舎大学文学部歴史文化学科准教授。専門は日本近現代史。著書に『残留兵士の群像 彼らの生きた戦後と祖国のまなざし』(新曜社)、『戦犯の孫 「日本人」はいかに裁かれてきたか』(新潮社)、『残留日本兵 アジアに生きた一万人の戦後』(中央公論新社)など。
岡田 泰平(おかだ たいへい)
東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は東南アジア近現代史。著書に『「恩恵の論理」と植民地 アメリカ植民地期フィリピンの教育とその遺制』(法政大学出版局)、『東南アジア史における「記憶」の問題-概要と論点-』(分担執筆、彩流社)、『シリーズ 戦争と社会 第5巻・変容する記憶と追悼』(分担執筆、岩波書店)など。
戸部 良一(とべ りょういち)
防衛大学校名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。専門は日本近現代史。著書に『日中和平工作: 1937-1941』(吉川弘文館)、『戦争のなかの日本』(千倉書房)、『自壊の病理 日本陸軍の組織分析』(日本経済新聞出版社)、『日本陸軍と中国』(講談社)、『失敗の本質』(共著、ダイヤモンド社)など。
増田 弘(ますだ ひろし)
立正大学名誉教授、平和祈念展示資料館館長。専門は日本政治外交史。著書に『政治家・石橋湛山研究 リベラル保守政治家の軌跡』(東洋経済新報社)、『南方からの帰還 日本軍兵士の抑留と復員』(慶應義塾大学出版会)、『マッカーサー フィリピン統治から日本占領へ』(中央公論新社)、『大日本帝国の崩壊と引揚・復員』(編著、慶應義塾大学出版会)など。