本年2月、突然のロシア軍によるウクライナ侵攻は、世界に衝撃を与えました。そして第二次世界大戦を思い起こさせるような暗雲が国際社会に広がりつつあります。振り返れば、今年2022年は日中戦争勃発から85年、そして日中国交正常化から50年という節目の年でもあります。戦争と平和という大きなうねりを経た今こそ、この歴史的教訓を基にして、現在の世界情勢を大所高所から考える時ではないでしょうか。
本シンポジウムの第一部では、激変する日中関係を対象として、前半は、日中戦争に関する新しい事実や解釈など、日本側の研究成果を解説します。後半は、1950年代から日中国交正常化までの引揚げなど戦後処理における諸問題を、主に中国側の観点から取り上げます。
第二部では、現在のウクライナ問題と過去のソ連軍による旧満州等への侵攻問題との共通性や類似性などを探りながら、3名の専門家が兵士・抑留・引揚げの問題を幅広く論議し、戦争は何をもたらすのかという根源的問いに答えていきたいと思います。
過去の戦争から私たちが学ぶべきことは何か、そして戦争の先には一体何があるのか、一緒に考えてみませんか。
◆チラシPDF版はこちら
※11月15日(火)から資料館公式YouTubeでの映像配信を開始しました。下記リンクからご覧ください。
第1部 基調講演
「日中戦争再考」
「戦後日中関係再考―忘れられた戦後処理」
第2部 パネルディスカッション「戦争は何をもたらすのか?」
日 時 | 2022年10月15日(土) 13:30~16:30 (開場 13:00) |
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料 金 | 無料 |
会 場 | 新宿住友ビル47階 スカイルーム Room5+6 |
定 員 | 130名 |
参加申込み ※下記の方法で事前にお申し込みください。シンポジウム事務局より参加証をお送りします。入場の際は参加証をご提示ください。 ※応募者多数の場合は抽選となります。シンポジウム開催の2週間前までに抽選結果をご連絡します。 ※申込期日:9月22日(木)必着 参加申込み期間は終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。 |
★シンポジウムに関するお問い合わせ 平和祈念展示資料館 電話:03-5323-8709 FAX:03-5323-8714 e-mail:info☆heiwakinen.jp (☆を@に変えて送信してください) |
プログラム
■第1部 基調講演「日本と中国はどう向き合ってきたか?」(13:30~15:00)
「日中戦争再考」
戸部 良一(防衛大学校・国際日本文化研究センター名誉教授)
「戦後日中関係再考―忘れられた戦後処理」
大澤 武司(福岡大学教授)
■第2部 パネルディスカッション「戦争は何をもたらすのか?」(15:15~16:30)
パネリスト:加藤 聖文(国文学研究資料館准教授)、小林 昭菜(多摩大学准教授)
モデレーター:増田 弘(立正大学名誉教授・平和祈念展示資料館館長)
※第1部と第2部の間に15分の休憩が入ります。
出演者
戸部 良一(とべ りょういち)
防衛大学校名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。専門は日本近現代史。著書に『戦争のなかの日本』(日本経済新聞出版)、『ピース・フィーラー 支那事変和平工作の群像』(論創社)、『昭和の指導者』(中央公論新社)、『自壊の病理』(日本経済新聞出版)、『日本陸軍と中国』(講談社)、『失敗の本質』(共著、ダイヤモンド社)など。
大澤 武司(おおさわ たけし)
福岡大学人文学部教授。専門は中国近現代史・日中関係史。著書に『毛沢東の対日戦犯裁判』(中央公論新社)、『日中関係史1972-2012Ⅰ 政治』(共著、東京大学出版会)など。他にも『戦後日中交流年誌』全17 巻や『外務省戦後執務報告アジア局編』全18巻、『戦後中国引揚者聴取資料―外交史料館所蔵「中共事情」』全23巻など、多くの監修・解説を手がける。
加藤 聖文(かとう きよふみ)
人間文化研究機構国文学研究資料館/総合研究大学院大学准教授。専門は日本近現代史・東アジア国際関係史・アーカイブズ(歴史記録)学。著書に『海外引揚の研究』(岩波書店、第43 回角川源義賞)、『満鉄全史』(講談社)、『満蒙開拓団』(岩波書店)、『国民国家と戦争』(KADOKAWA)、『「大日本帝国」崩壊』(中央公論新社)など。
小林 昭菜(こばやし あきな)
多摩大学経営情報学部准教授。専門は日ソ関係史、現代ロシア。ロシア科学アカデミー東洋学研究所研究員、米ピッツバーグ大学世界史センター派遣研究員を経て現職。著書に『シベリア抑留米ソ関係の中での変容』(岩波書店)、『国際関係史から世界史へ』(共著、ミネルヴァ書房)、『ロシアの歴史を知るための50章』(共著、明石書店)など。
増田 弘(ますだ ひろし)
立正大学名誉教授、平和祈念展示資料館館長。専門は日本政治外交史。著書に『石橋湛山:思想は人間活動の根本・動力なり』(ミネルヴァ書房)、『南方からの帰還 日本軍兵士の抑留と復員』(慶應義塾大学出版会)、『マッカーサー フィリピン統治から日本占領へ』(中央公論新社)、『大日本帝国の崩壊と引揚・復員』(編著、慶應義塾大学出版会)など。