帰還者たちの記憶ミュージアム(平和祈念展示資料館)とは
帰還者たちの記憶ミュージアム(平和祈念展示資料館)は、さきの大戦における、兵士、戦後強制抑留者および海外からの引揚者の労苦(以下、「関係者の労苦」)について、国民のみなさまに、より一層理解を深めていただくため、関係者の労苦を物語る様々な実物資料、グラフィック、映像、ジオラマなどを戦争体験のない世代にもわかりやすく展示しています。
また、資料を有効活用し、効果的な方法で幅広く労苦を語り継ぐため、全国で展示会などの館外活動を展開しています。
三つの労苦
帰還者たちの記憶ミュージアム(平和祈念展示資料館)は、戦争が終わってからも労苦(苦しくつらい)体験をされた、兵士、戦後強制抑留者、海外からの引揚者の三つの労苦を扱う施設です。
兵士
さきの大戦において、国のために家族を残し、危険な戦地に向かい、命をかけて激務に従事し、大変な労苦を体験された方々です。その中には、軍歴期間が短いために年金や恩給を受給できない方々(恩給欠格者)もいます。
戦後強制抑留者
戦争が終結したにもかかわらず、シベリアを始めとする旧ソ連やモンゴルの酷寒の地において、乏しい食糧と劣悪な生活環境の中で過酷な強制労働に従事させられた方々です。
海外からの引揚者
敗戦によって外地での生活のよりどころを失い、身に危険が迫る過酷な状況の中をくぐり抜けて祖国に戻ってこられた方々です。
館長あいさつ
平和祈念展示資料館は、さきの大戦における、兵士、戦後強制抑留及び海外からの引揚げの関係者の労苦に関する資料の常設展示を行い、国民のみなさまに理解を深めていただくために、平成12年11月に開館いたしました。
開館以来、戦争体験のない世代にもわかりやすい展示を行うとともに、館外活動やインターネットなどを通して、全国の幅広い年齢層に関係者の労苦を伝えるための業務に取り組んでおります。
当時の体験者が年々少なくなっていく中、貴重な資料を次の世代へと確実に引き継ぎ、関係者の労苦について深く知る機会を提供してまいります。
館長 増田弘
沿革
2000(平成12)年11月 平和祈念事業特別基金(※)により開設(新宿住友ビル31階)
※ 1988(昭和63)年7月に認可法人として設立。
2003(平成15)年10月より独立行政法人化。
2013(平成25)年4月に解散。
2007(平成19)年11月 リニューアル開館(新宿住友ビル48階に移転)
2010(平成22)年10月 平和祈念事業特別基金の所蔵資料を国(総務省)が承継したことに伴い、国(総務省委託)による運営を開始
2018(平成30)年 3月 リニューアル開館(新宿住友ビル33階に移転)
英文表記
Memorial Museum for Soldiers, Detainees in Siberia, and Postwar Repatriates
開館
2000(平成12)年11月30日
施設概要
展示規模: | 約460㎡ |
施設内容: | 兵士、戦後強制抑留者、海外からの引揚者の労苦に関する資料を展示 |
施設構成: | 常設展示室(兵士、戦後強制抑留、海外からの引揚げコーナーなど) 企画展示室 体験コーナー、情報メディアコーナー、図書閲覧コーナー、ビデオシアターなど |
所蔵資料概要
兵士、戦後強制抑留者、海外からの引揚者の労苦を物語る資料を所蔵
- 所蔵資料:約23,000点
常設展示:約400点(グラフィックやジオラマ含む) - 所蔵図書:約14,000点
開架図書:約2,000点
活動紹介
館内企画展の開催
当資料館の所蔵資料を有効活用し、兵士、戦後強制抑留者、海外からの引揚者の労苦について様々な視点で企画した館内企画展を開催しています。
館内イベントの開催
ゴールデンウィーク、夏休み、春休みなどの長期休暇にあわせて、戦争体験のない世代にも理解しやすく伝えるために、映画や読み語りなどの各種イベントを実施しているほか、毎月1回、語り部お話し会を開催しています。
平和祈念展の開催
当資料館への来館機会が少ない地域に向けて、さきの大戦での兵士、戦後強制抑留者、海外からの引揚者の労苦を全国の方々に伝えていくため、所蔵資料や写真などを活用した展示会を各地で開催しています。