平和祈念展示資料館(東京都新宿区)は、さきの大戦における兵士、戦後強制抑留者、海外からの引揚者の労苦について多くの方に知っていただくため、全国各地で展示会を開催しています。このたび、日立市との共催で、当ミュージアム企画展「極限下のエンターテイメント シベリア抑留者の娯楽と文化活動」と日立市平和展を同時開催するはこびとなりました。
戦争が終わったにもかかわらず、シベリアを始めとする酷寒の地で、厳しい労働を課せられた戦後強制抑留者は約60万人にも上ります。その中には、日立市出身の作曲家・𠮷田正氏の姿もありました。過酷な状況のラーゲリ(収容所)で生き延びるには、「絶対に故郷に生きて帰る」という強い意志と希望を失わないことが大切でした。極限の状況下にあった彼らの心を慰め励ましたもの―それこそが、音楽や演劇、絵画といった文化活動だったのです。本企画展では、手製の娯楽品や、ソ連製の楽器、抑留中に描かれた絵画などを展示し、抑留者たちの文化活動の一端をご紹介します。絶望のラーゲリで、抑留者たちに生きる希望を灯し続けた「エンターテイメント」の数々をご覧ください。

◆日立市のホームページはこちら

日 時2024年8月1日(木)~15日(木)
9:00~18:00(最終日のみ16:00まで)
会 場日立シビックセンター1階ギャラリー(茨城県日立市幸町1丁目21−1
入館料無料
主 催日立市
共 催帰還者たちの記憶ミュージアム(平和祈念展示資料館[総務省委託])

抑留者が飢えに耐えかね、袖の部分をパンと交換した防寒外套
沿海州楽劇団で抑留者が使ったソ連製のトランペット

斎藤邦雄「涙の演芸大会」

演奏する抑留者の楽劇団
平和祈念展示資料館 (総務省委託)