常設展示の「兵士コーナー」に展示している資料について紹介しています。
兵士とは
さきの大戦において、国のために家族を残し、危険な戦地に向かい、命をかけて戦務に従事し、大変な労苦を体験された方々です。その中には、軍歴期間が短いために年金や恩給を受給できない方々(恩給欠格者)もいます。
臨時召集令状(赤紙) [りんじしょうしゅうれいじょう(あかがみ)] 石橋武典氏提供
臨時召集令状とは、戦争で多くの兵士が必要になった際に、徴兵検査で合格した男性を集めるための命令書です。その色から「赤紙」と呼ばれていました。
徴兵検査通達書 [ちょうへいけんさつうたつしょ] 笈田義男氏提供
昭和20(1945)年以前の日本では、男子は満20歳頃になると、徴兵検査を受けることが義務付けられていました。この通達書は、検査の日時・場所を知らせるためのものです。
昭和18(1943)年4月10日
千人針 [せんにんばり] 志村庄次氏提供
千人針とは、出征する男性のために、女性たちが武運と無事を祈って作ったお守りです。木綿の布に千人の女性たちが一つずつ赤い糸で留を縫いました。
たすき [たすき] 山本運太郎氏提供
応召[おうしょう]※する人に贈られたたすきです。兵士となる人の氏名が記されています。
※軍務に就くための呼び出しに応じること。
弾除け祈願のチョッキ [たまよけきがんのちょっき] 久米三代一氏提供
このチョッキは綿でできており、水で濡らすと切れにくくなるという昔の知恵から作られました。これには、武運長久を願う千人針が縫いこまれています。
軍隊手牒 [ぐんたいてちょう] 草野亀寿氏提供
軍隊手牒[ぐんたいてちょう]とは、陸軍下士官・兵の身分証明書と履歴書を兼ね備えたものです。氏名・生年月日・本籍のほか、所属部隊・兵科・階級・服のサイズ・入営からの軍歴などが書き込まれました。
慰問袋 [いもんぶくろ] 込山次男氏提供
戦地の兵士を励ますために、日用品や娯楽用品、雑誌、お守り、手紙、菓子などが、このような袋に詰められて、日本から送られました。
伝単 [でんたん] 仙頭鷹雄氏提供
伝単とは、宣伝のビラのことです。この伝単は、昭和19(1944)年頃に連合国軍の飛行機から投下されたもので、戦争による物価の高騰について記されています。
認識票 [にんしきひょう] 大川巖氏提供
認識票とは、部隊番号や氏名が刻まれ、個人の識別に使われたものです。
これは、満州(現・中国東北部)牡丹江[ぼたんこう]省(現・中国黒竜江省)にいた部隊に配属された兵士に支給されたものです。
無罪証明書 [むざいしょうめいしょ] 鍋島武利氏提供
戦争犯罪を犯していないことを証明するものです。戦後に東南アジア各地で発行されました。
陣中鏡 [じんちゅうきょう] 中野伊一氏提供
陣中鏡とは、出征する兵士が弾除けのお守りとして、左の胸ポケットに入れて肌身離さず持ち歩いていたものです。
引揚者カード [ひきあげしゃかーど] 武蔵原功氏提供
復員した際に発行され、郷里までの乗車券を購入するための証明として使われたカードです。
昭和21(1946)年8月26日
陸軍通信隊電鍵 [りくぐんつうしんたいでんけん] 岩田英雄氏提供
陸軍通信隊電鍵とは、モールス信号を打つための道具です。陸軍の通信隊に配属となった初年兵の訓練で使用しました。